胃ろうにミキサー食の注入やってみた2024年12月11日 18:42

在宅での胃ろう注入も1か月を超えました。

私は妻専属の非公認の管理栄養士です。(非公認の看護師でもあります)


ラコール半固形栄養剤を1200kcalでは
糖尿病で寝たきりが多い妻の場合は問題点があり
900kcal+ヨーグルト+デキストリンにアレンジして
糖尿病のガイドラインのPFCバランスにして
食物繊維を補いました。 


その結果
・1日の炭水化物が60%以下となり(糖尿病のガイドライン)
・夕食前の血糖値も低くなり
・1040kcalとなり、体重も落ち着いてきました。

■残る問題点
ラコール+ヨーグルト110+デキストリンで 残る問題点

・便秘ぎみ 
・食物繊維15g補っているが、難消化性デキストリンは水溶性食物繊維である
 不水溶性食物繊維が補えず
微量元素の不足の心配
 半固形栄養剤には微量元素(セレン、ヨウ素、カルニチン)が含まれていない
 長期使用には欠乏症に注意

特に、現在の問題は、1週間便が出なかったり、紫色尿バック症候群
その原因は不水溶性食物繊維が不足して、便の量が少ないためと思われる
(水溶性食物繊維は難消化性デキストリンで補給している)

----不水溶性食物繊維----
不溶性食物繊維は、胃や腸で水分を吸収してふくらみ、便の量を増やすことができる。また、糖質や余分な脂質、ナトリウムなどを吸着し、便と一緒に体外へ排出することができる。不溶性食物繊維を多く含む食品には、ライ麦や玄米などの穀類、小豆や大豆などの豆類がある
----------------web情報-------

押麦入りのご飯や納豆が不水溶性食物繊維を補うには最適です


■ミキサー食注入のメリットとデメリット

webには「胃ろう ミキサー食注入」で検索すると、多く見つかります。
特になぜだかこどもの胃ろうに推奨が多い。

メリット
食物繊維が豊富で下痢の改善(不水溶性食物繊維)
天然の多様な食材が摂取できる  
 ミネラル・ビタミン、微量元素などが初めから含まれているので、微量元
 素欠乏症のリスクが軽減します。
・栄養剤に不足する塩分を補充できる。
・味噌やヨーグルトなど発酵食品により、栄養剤に無い菌を補い腸内環境が良くなる
糖尿病腎症に対して、必要なエネルギーやたんぱく質など栄養成分を自在に調整できる
 糖尿病はじめ肝不全、腎不全など各種病態別の栄養剤が市販されているが
 市販の栄養剤では費用が発生する。
市販の栄養剤よりは安価にできる。
・食物アレルギー(妻には無関係)対応が可能

デメリット
・妻の場合は栄養剤は医療費として費用がかかっていないので、
 逆に食材費が発生してしまう
注意点は粘度とチューブ閉塞があるが 工夫が必要である
 ミキサーを十分かける。でんぷん分解酵素。など


■ミキサー食の注入やってみた

昼食のみを置き換えてみました。


・1日目 押麦入りの軟飯+納豆+牛乳+アマニ油(ω3脂肪酸)
具沢山酒粕味噌汁(野菜144g)


383Kcal 
 塩分1.1g たんぱく質14.6g 炭水化物54.8g 脂質10.9g 食物繊維8.2g
 食材費111円
すべてをブレンダーで攪拌して、お湯で粘度調整。(ご飯がべとつく。)






・2日目 親子丼(もも肉+卵)+デキストリン+アマニ油(ω3脂肪酸)
(野菜147g) 


400Kcal
 塩分1.5g たんぱく質23.2g 炭水化物51.1g 脂質9.7g 食物繊維7.6g
  食材費184円





■ミキサー食の課題と今後

・手間がかかる(栄養計算と粘度調整) ・・・胃ろう以前と同じ程度の手間
・食材費がかかる。…120円/1食  ・・・胃ろう以前より安価
・量が増える約600g(ラコール+ヨーグルトで410g) ・・・補給水分量を減量
かなり注入が重たい 
  粘度を下げるためお湯の適量を探る

→便と血糖値はどうか、見ながら、昼食のみをミキサー食で続けてみます